環境体験学習

   
 福住小学校では、緑を育てる活動や環境の学習、米作りや薪割りなどさまざまな体験をしています。 平成25年10月14日に行われた兵庫県 緑の少年団活動発表大会で取組を発表し、活動の歴史が長いことや地域での様々な活動が認められ、最優秀賞をいただきました。
   
 豊岡市では、市民とコウノトリが共生して、コウノトリの野生復帰や、コウノトリも住める環境づくりなど、自然を大切にするさまざまな取組をしています。 福住小学校も、3年生以上の98人が環境について学んだり、里山整備や稲・野菜作り体験をしたりと自然から学ぶ活動を続けてきています。 
   
この写真は、昔「日本でただ一つのコウノトリの繁殖地」として天然記念物に指定されていた出石鶴山の様子です。 今では松の木の多くが枯れてしまったので、出石鶴山にもう一度コウノトリが巣作りができるようにと、3年前に緑の少年団で「ひょうご元気松」を植樹しました。 
   
 新緑がきれいな5月のはじめに、自然を楽しむ活動として鶴山ウォークラリー遠足をしました。 木のクイズや林の中での宝探しなどのイベントをしました。宝探しは自然をうまく利用してあって、とってもおもしろかったです。 
   
福住小学校では、平成14年から「はぐくみ活動」として、年間7回 第4土曜日の午前中に地域の皆さんやPTAの役員さんが中心になってスポーツやクッキング・木工・カラフル粘土アート、出石太鼓など、いろいろな講座をしてもらっています。
   
2年前の10月に行われた講座で、出石環境ネットの皆さんにお世話いただいた「マナドの森整備」に参加しました。10年前の台風23号で荒れ果てた山に植えた広葉樹の手入れと森のお話から、森の役割や自然環境保護の大切さがよく分かりました。
3年生は毎年、環境体験学習で夏には川の生き物調査、秋には近くの里山の整備を行っています。
集めた枯れ枝や葉っぱを燃やし、学校園で作ったサツマイモを焼き芋にしました。 また、豚汁や山菜おこわも作ってお昼ごはんとしていただきました。活動した後のごはんはとってもおいしかったです。
その後、付近に生えている、しの竹を使った竹でっぽう作りを教えてもらいました。 のこぎりで竹を切ったり、長さを調節したりするのが難しかったけど「ポン」という音を立てて、良く飛ぶ竹でっぽうが作れました。
最近の大きな活動として、何年もほとんど使わず荒れていた学校の裏山を、もっとみんなが楽しく学習できる場所に作り直しました。 5・6年生が、野外活動小屋の掃除や広場の整備をしました。
倒れた木や竹を片づけたり、水路やそこへ登る道を直したりしました。 野鳥を呼ぶためのえさ台を作り、はぐくみ活動で作った巣箱をかけました。
紅葉がきれいなナナカマドやカエデの木を植えました。また、野鳥のために、実のなる木も植えました。 薪を使って、かまどでごはんも炊きました。家でいつも食べているご飯とちがって、もちもちして香ばしくおいしいご飯でした。
5年生は毎年近くの水田をお借りして、地域の方からの指導や協力を受けながら、米作り体験をしています。 東日本大震災の後は、南三陸町の名足小学校にお米や売ったお金を支援として送りました。
5年生の夏休みにあった親子PTA活動では、金山見学の後、奥山川の源流付近の森を見学し、水田で大事な水をたくわえる森のはたらきを学習しました。 9月の終わりには稲刈りをしました。一本の稲穂から平均70粒のお米がとれました。
刈り取った稲は、昔と同じ方法で、稲木にかけて3日間、天日乾燥しました。こうするとCO2は全く出さないし、お米もおいしくなるそうです。 森や木、畑や水田を大切にすることはいろいろな生き物が住みやすい環境をつくることになり、そのことが、コウノトリもすめる豊かな環境になるということが分かりました。今まで福住小学校では野菜作りや植樹、巣箱作りなどをしてきましたが、もっともっと自然とともに学ぶ学校にしたいと思います。
畑で作物を作ったとき、網をはっていてもシカやイノシシに食べられてしまうことがありました。シカやイノシシも生きていくためには食べ物が必要です。いろいろな生き物と共生することは大変だということがよく分かりました。 私たちは今まで自然のことをあまり意識せずに生活してきましたが、昔の人は簡単な道具で、自然の物を上手に利用して暮らしてきたのだということを知って、昔の人の知恵ってすごいんだな、と改めて思いました。
昔は人々の生活と山が密接に結びついていたのだと思います。 これからもっといろいろなことを学習していきたいと思います。

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